星空 


about bkm
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一万光年離れた君へ
僕の神様と君の神様
それっきり天国へ行けたなら
手をのばしたい夕暮れ
嘘吐き、今夜だけは
甘い空と心中
ここは雲の底だけど
世界にさえずれ
ぼんやりと西を向く
広いとこまで歩こうか
てのひらと願いごと
がらくたよりもおそく
苺の香りで死ねる
たとえ宝石じゃなくても
ひかりがおちてくる
三番街にて溺死
飴玉をも降らす
仕舞には紙吹雪で
さてこの世の端に飛ぶ
海に棲むペガサスみたいにね
青空の向こうのレーザービーム
そうして彼は水を飲む
八月の青い埋葬
たとえるなら水色
ささやかに魔法
ここだけは違う海さ
だれかの遠い王国
落とし穴のトカゲ
泣き叫ぶほど消えていく
きんいろの王冠
僕は魔女になりたい
雨降らしの街
生まれ変わるのならここへ
寝ても覚めても樹海
やさしいくらやみ
古い夢を歌おうと思う
さまようラプソディ
みえないファンタジア
お星さまたべられて
さあ虫めがねのうたを
飲み下すラストシーン
ぼくの聖域は狂わない
かくもイノセント
枯れ野で口笛
神さまの模型
紙一重で溺れ死ぬ
舌を滑るせつない文節
ふわふわに鋭利
可愛らしい怪物を背に
叫べなかったカナリア
地平線をなぞる指
夢追い人星を撃つ
最果てへの汽車を待ちながら
暗闇よりも独創的だ
てのひらと願いごと
星の果てには緑
よく見ろ空は青くない
酸素を狙うお化け
鳩は宇宙を待てずに飛ぶ
昼さがりは踊ったね
ロマンチックドラゴン
ひたすらに西へ
ただしい塵と愚かな星
網膜のなかの宇宙
影の匂いを探したい
寂しい訳じゃないんだ
風が吹いただけだから
きみの懐に眠るけもの
奪おうと夢見ていたよ
僕はもういなくなるが
別に悪くはないだろう
たった一つ言えること
世界は酷く美しかった
さよなら僕のやさしい星空